明けましておめでとうございます。
書き始めたのは12/29の帰省の新幹線ですが、公開は年が明けてからになってしまいました。 2020年になってしまいましたが2019年の振り返りをしようと思います。
大学関連
まずは少し大学関係のことから。3月に大学を卒業してそのまま大学院に内部進学しました。
2018年度は初めて研究室に配属されて、修士の先輩からある程度結果が出ることが見込まれているテーマをもらって、同じテーマの先輩からいろいろ教えてもらいながらなんとか結果を出して卒業したのですが、院生になった2019年度は新しいテーマで研究を始めました。
4月から新テーマで研究を始めて、9月頃までは新分野のこれまでの先行研究にキャッチアップする大変さを感じながら日々過ごしていたと思います。
研究対象が天体写真に応用できそうな分野だったのでそれが結構モチベーションになっていたような気がします。
ちゃんとした成果はまだ出ていませんがなんとか軌道には乗った(?)のでしっかりと形にして大学院を修了したいなと思っています。
ちなみに一昨年の研究結果が学会でちょっとした賞をもらって大学のHPに名前が載りました。探さなくてもいいですよ笑
天体写真
続いて本題の趣味の話です。天体写真の2019年の活動を総括すると、『大きく飛躍したが課題もたくさん生まれた年』だったと思います。
トピックごとに書いていきます。まずは機材から。
機材
2019年の機材の拡充は以下の3点です。- Sigma 40mm F1.4 DG HSM | Art
- Sony RX100M5
- SWAT-350の2軸化
Sigma 40mm F1.4 DGHSM | Art
まず、これまでずっと使ってきたAF-S 50mm f/1.8G、いわゆる撒き餌の単焦点レンズから10万を超えるArtレンズ、Sigma 40mm F1.4 DG HSM | Artに乗り換えたことがやっぱり一番大きかったです。2018年と比べて写真のクオリティが一段上がったように思います。
レンズ性能の向上によってよりシャープな像を結ぶようになったり色収差が低減されたことによる直接的なクオリティアップはもちろんですがそれだけでなく、高性能になったことで被写体の情報がよりピュアに記録できるようになって、被写体のことを(写真的に)より深く知ることができるようになったことが非常に大きいと感じています。
この恩恵はわかりやすいところだと分子雲の描出において顕著に見られますが、ホワイトバランスにもっとシビアになったり、空の状態の変化によるいろいろな写真のエラーにも気づけるようになったりと、もっと基本的な部分の改善にも貢献しています。
その結果、星野写真を写真としてより自然な仕上がりにできるようになったと思います。
機材のステップアップは被写体についてより深く知ることに繋がり、被写体についてより深く知ることは自身のセンスの向上に繋がると強く感じた1年でした。
しかしこれは撒き餌50単で撮っていたこれまでの経験や写真と対比することで明確に浮き出てきたもので、やはりこれまでの全ての写真活動がしっかりと血肉になって今の写真が撮れているのだなぁと思います。
Sony RX100M5
続いて、Sony RX100M5です。これは作品のクオリティに直接影響はしていないですがD810Aで撮影する構図の前撮りや、広い画角で撮影して周りの雲の状態を確認したりするのにとても役に立ってます。また、これを買ったおかげでブログの遠征記に使える写真が増えて記事が書きやすくなりました。
M5にしたのは後々は動画もやってみたいからなので今年は動画作品(YouTube?)にも挑戦してみたいと思ってます。
SWAT-350の2軸化
最後に、SWAT-350の2軸化です。これまではSWATのターンテーブルに直接自由雲台を付けてカメラを載せていましたが、Sigma 40mm Artを本格運用していくにあたって荷重の要求が大きくなったため、安定性を求めてドイツ式の2軸化を行いました。
機材の総重量は増えましたがガイドの安心感や機材の格好良さは爆上がりで非常に満足しています。
遠征
2019年は16回遠征に行きました。遠征先の内訳は、[県]場所 行った回数(晴れた回数)『作品として公開できた枚数』
- [栃木]日光戦場ヶ原 8回(6)『4(1枚未処理)』
- [千葉]荒木根ダム 1回(1)『1』
- [静岡]天城高原 2回(1)『1』
- [長野]あららぎ高原 1回(1)『1』
- [愛知]茶臼山高原 1回(1)『1』
- [福島]鹿角平 1回(1)『1』
- [埼玉]奥秩父 1回(1)『0』
- [千葉]鹿野山 1回(1)『0』
最近は1回の遠征でクオリティ重視で撮影対象を1つに絞ることが多いので作品数も少なくなりがちです。
やはり戦場ヶ原が圧倒的に多いですね。広角星野写真に必要な、低高度まで光害が少ない星空を提供してくれる遠征地の中で自分の環境では最もコストパフォーマンスに優れていると思います。
ただ、2019年は霞がかかったような空に当たることが多かったです。もともと湿原なのでそういう場所だとはわかっていますが特に多かった気がします。
それもあって奥秩父や房総の方にもちょくちょく出かけてみたのですが空の暗さや光害のせいで思うような撮影素材を得ることができず、撮ったものの納得できるクオリティまで仕上げられなかった写真がたくさんありました。
関東の有名撮影地である天城高原にも2回アタックしましたが1回は一晩ほとんど曇り、もう1回は星は見えているものの透明度が著しく悪いような天候であえなく撃沈しました。
遠くまで出かけても、結果として1枚も作品として仕上げることができないというのは広角星野写真一本スタイルのリスキーな部分だなと感じています。
画像処理をもっと磨いて後処理側の利得を増やしたり、光学系を追加して臨機応変に使い分けたりといった対策が必要ですね。あとは天体写真とは関係のないところに遠征の楽しみを分散させるとか。
あと2019年の特に前半は新星景写真にハマってよく撮ってました。新鮮味のある表現ができて楽しかったです。
でもやっぱり星景写真は構図が命だと感じ、そのためには撮影地を熟知するためにロケハンが必須だということに気づき、今の遠征スタイルには合わないということで次第に撮らなくなりました。
社会人になって車を買ってからの楽しみにしようかなと思います。
フォトコン
天文雑誌は天文ガイドのビギナーの部で1回、星ナビで1回入選しました。星ナビでの入選は初めてです。まず、天文ガイドのほう。これは40mm Artで撮影した最初の星野写真です。撮影が3月とまだ高度が低い時期だったので正直あまり出来に自信はなく、一般の部では通ってなかったと思います。 続いて星ナビは12月号で入選しました。
この写真はAstrobinの10/3のImage Of The Dayにも選ばれました。
反省点
最後に、ここまでで書いていない2019年の反省点を2点。まずはフラットをサボったことです。
Sigma 40mm ArtはAdobe Camera RAWのレンズ補正が非常に優秀で多少強調したくらいでは全く破綻しませんでしたので、これに甘えてフラットの撮影を怠りました。だっていろいろ気を遣うことが多い上にフラットは謎が多いんですもん笑
いろいろ試行錯誤してフラット撮って合う合わないに悩むくらいなら自動で95%くらいの精度で合うレンズ補正でいいじゃんって考えです。
でも淡い分子雲を出すところまで強調すると粗が見えてくることがわかったのでやっぱりフラット補正を極めないとなと感じているところです。
次に、2018年に参加した「天体写真の物理実験的アプローチ講演会」で勉強したことをあまり実際の天体写真の撮影に活かせなかったことです。
この勉強会はノイズを定量的に捉えることでS/Nを最大化するような撮影をしようといった内容の講演で姫路まで行ってもお釣りが返ってくるくらい非常に勉強になったのですが、ノイズの定量的な分析を自分の撮影環境で行うことが(自分の能力的に)難しく、理屈はある程度理解しても実践するところで放置してしまいました。
以上の2点の反省点は、どちらも天体写真の理論的な部分を疎かにしたということです。
天体写真には科学と芸術の二面性があるとはよく言われることですが、2019年の自分は、Sigma 40mm Artのところでも書きましたが芸術(センス)を磨く方にばかり力を入れすぎたなと思います。
以上、反省点でした。
おわり
つらつらと2019年のあれこれを書いてきましたがこの記事はこの辺にして、次の記事で このツイートの振り返りと2020年の抱負について書きたいと思います。ぶっちゃけ何を書いたかほとんど覚えてないですが軸がぶれてなければ何かしらプラスになるように行動しているはず笑
それでは!