タイトルの通り、6/15-16と2日間に渡って川崎市で開催されたCANPというイベントに参加してきました。
CANPとは、CAN(CCD Astronomy Network)という主に天体写真についての情報交換を目的としたネットワークで年に1回行われている交流会で、20年以上続いているイベントらしいです。
参加者はやはりベテランの方が多く、学生はおそらく自分と、一緒に参加した友人の数人だけでした。
これでも主催の方が今年は若い人が多く来てくれたと話していたのでやはり例年若い人の参加は少ないみたいですね。
天文雑誌でよく見かけるような大御所の方もたくさん参加されているので確かに少し萎縮してしまうところはありました...笑
講演会
今年のテーマは「基本を再確認し、独自の作品作りを行っている人の工夫を学ぼう」ということで基本的なところからプロフェッショナルな方が独自でやられているテクニックについて聞くことができました。どの方の講演もとても参考になる内容でしたが、理論やテクニックの話だけではなくその方がどのように天体写真と向き合っているのかを感じることができ、非常に刺激になりました。
個人的に刺さったところを挙げてみます。講演以外でも沢山の発表がありましたが書いているときりがないのでここでは省略します。
1日目
岡野さん
デジタル現像を考案されたときの歴史的経緯の話がとても面白かったです。もともとはフラット処理の拡張で実装してたとか。あと天文年鑑の天体写真向けのカメラレビューの項目は自分も初めて知りました。三本松さん
冷却CCDとデジカメの違い、デジカメは80%まではすんなりいくがそこから先が伸びないのに対して冷却CCDはその壁を難なく超えてくる、という経験から発せられる言葉がとても印象的でした。また、「誰もが見たことのある星空を誰も見たことがない世界に表現する」のが天体写真を撮るモチベーションというのは非常に共感できる内容でした。
宇都さん
ラッキーイメージングは高輝度部のディテール表現には適しているが淡い部分は長時間露光をしないと出てこない。合成して両者のいいとこ取りをすることで最良の結果が得られる。長焦点ではシーイングが写りの質を大きく左右するのでラッキーイメージングが有効なようです。僕はしばらくは長焦点に手を出す予定はないですが覚えておきたいです。
2日目
荒井さん
都内自宅でのナローバンド撮影&FlatAideProを使った色ムラ処理。撮影して問題に直面して解決策を考えてそれを実行するまでの一連のサイクルが非常に速く作品と一緒にどんどん知見が貯まっていく、そんな印象を受けました。ナローバンド、社会人になったら始めてみたいですね。
山口さん(天文リフレクションズの中の人)
最新のレンズの性能を活かしきった超高精細な広角星野写真はまだまだ未開拓の分野、日本一を更新できるフィールドはここにある。まさに自分もそのように考えていたので有識者の方からのお墨付きをもらえて安心しました。(直焦点よりは)比較的安い機材で始められるので若い人にもチャンスあると思います。
また、オーストラリアでSigma 105mm Artを使って撮影した天の川のモザイク星野には度肝を抜かれました。
望月さん
ラズパイを使った超小型赤道儀+カメラユニットの作り方&作例。天体写真の撮影機材を極限までダウンスケーリングした構成で、写真のクオリティを追求するのは難しそうですが教育用とかに良さそうだなと思いました。
懇親会
1日目の講演が終わったあとには懇親会があり、ご飯を食べながら参加者の方々と交流したり、星ナビ編集長の川口さんによる星ナビGalleryの裏話を聞きました。今年は星ナビ入選を抱負に掲げてしまったので、ここで聞けたお話はとてもためになる内容でしたね。
とはいっても自分の作品作りのポリシーが先で、それを差し置いて入選するための作品作りをするつもりはないですが笑
川口編集長は帰りの電車でも少し話をさせていただき、気になってたことをより具体的に聞くことができました。
まとめ
この2日間とてもボリュームがあったので消化するのに少し時間がかかりそうですが、得たものをうまく吸収して自分の天体写真撮影に取り入れていきたいと思います。来年は岡山で開催とのことで少し遠いですが、特に予定がなければ是非参加したいですね。